耳に残るは

 
 しとしとしとしと
 
 
 ひっきりなしに降り続く雨はじっとりべったりうざったい。
 けれども、みすず旅館の一室は、初夏という季節感を無視したかのようであった。
 即ち、春一色、春爛漫、春盛り。
 
 部屋の中にはパステルとトラップ。
 パステルは冒険中に書き留めたメモから小説へ書き起こしており、
トラップはアルバイトが休みなのだが、雨が降っているので外出する気が失せ、
パステル達の部屋に押しかけ、惰眠を貪っているのである。
 もっとも、晴れていたとしても同様の行動をとっていたかもしれない。
 何故ならば、彼らはこの空気を楽しんでいるのだから。
 
 パステルは書き進めていたペンを休め、テーブルの端に置かれた冷たい紅茶を一口飲んだ。
 ふぅっと息をついて、ベットに寝転がっている人物をかえり見る。
 とたん、絡まる視線と視線。
 トラップはペンが置かれてから―――その前から時折り―――パステルの姿を見ていた。
 パステルは嬉しさと照れの混じったような笑顔を見せ、トラップも似たような笑みを浮かべた。
 そしてパステルは再度机に向かって、小説を書き進めて行く。
 一声も発すること無く、交わされた微笑。
 ・・・・・・ベタ甘な空気である。
 これというのも、この度うれしはずかしめでたくも、トラップとパステルは付き合うことになり、
愛と夢と希望に満ち溢れんばかりのバラ色な日々を送っている次第なのであった。
 トラップのパステルを眺める目は細くなり、頬は自然と緩む。
 かわいい彼女の姿は彼の目を通すとべらぼうにかわいらしくなっていた。
 一心不乱にペンを走らせている時、小首を傾げて考え込んでいる時、
書き上げて「やったぁ」と両手を上げた時。
 その全てがかわいくて、それぞれに趣があり、何時間でも見飽きない自信があるというのだから、
げに恐ろしきはラブフィルターである。
 浮かれているというよりもイカレている。
 しかし、何と言われようともトラップは幸せだった。
 こんなにかわいくてかわいくてかわいくて(中略)とにかく、かわいい彼女がカノジョなのだから!
 ・・・・・・やはりイカレている。
 それも無理しからぬ事だった。
 トラップからしてみれば、奇跡のような今の関係なのである。
 思い起せば、長い道のりだった。
 
 いつしか、気付いたら持っていた恋心ではあったのだが、
さりげない好意表示はパステルに届かなかった。
 お子様、鈍感、自覚ゼロと、パステルはその手の類に疎すぎた。
 それもかわいいんだけど、と今でこそ思えるトラップであるが当時飲んだ涙の量は計り知れない。
 もうダメかと諦め半分やけっぱち半分我慢の限界半分、計算が合わないというのは置いといて。
 告白したらばそしたらば。
 わたしも・・・・と、コックリしっかり首を縦に振ったパステル=G=キングがそこにいて・・・・・・。
 
 その時の首筋まで赤くしたパステルを思い出したトラップは、にまーと笑いを浮かべた。
 親バカという言葉があるように、恋人バカ、彼氏バカという言葉があったら今のトラップはそれだろう。
 誰かが見たら「いい病院紹介するから」と忠告しそうな笑顔である。
 しかも、この部屋で唯一忠告できるパステルは執筆に専念しているのだった。
 トラップは幸せを噛み締めつつ、そのパステルを見た。
 まったく、パステルが自分のカノジョで、自分を好きだなんて信じられない。
 そんな笑顔であった。
 
 が。
 ふと、笑顔が曇る。
 『スキ』と、パステルが口に出して言った事があっただろうか?
 トラップはここ数日を思い返すが、どうにも思い当たらず、検索範囲を数週間に広げる。
 冷汗を垂らしつつ、パステルが「わたしも」と頷いた日にまで遡り、記憶をさぐってみる。
 トラップはがばっと起き上がった。
 よほど執筆の調子がいいのか、パステルは少しも気にした様子はない。
 そう、ナイのである。
 付き合い始めてこのかた、いの一度もパステルから「好き」といわれた事がない。
 なんてこった、そりゃないだろ、せっかく付き合ってんのに!
 先程までの幸せいっぱいの気分はどこへやら。
 一気に不満が沸き起こった。
「おい、パステル!」
 パステルは執筆の邪魔をされた事と不機嫌明白な声に呼ばれ、やや気分を害した顔で振り返った。
「なに?」
「おめぇ、おれの・・・・・・」
 おれのコト、好きなんだよな? そう言おうとしたのだが、止めた。
 それでは、まるで自分はパステルに惚れていると言ってるようなものではないか。
 実際、惚れたどころかメロメロであるのだが。
「『おれの』。 で、なに?」
 パステルは小説が佳境に入っていたので、早く執筆に戻りたかった。
 トラップはそんなパステルに怒りすら覚えた。
 こいつ、俺のこと馬鹿にしてんのか?
 こうなったら、どうにかして「わたし、トラップのことが好きで好きでしょうがないの・・・・」とでも、
パステルの口から聞かない限りは気が済まない。
 オプションとして、頬を赤らめ、上目遣いであったらなお良し!
 ・・・・それはともかく、パステルに自分から「すき」と言わせるにはどうすべきか?
 トラップは頭をフル回転させた。
 
 
 アイディアその1.
「なぁ、パステル。 おめぇが好きなモンって何だ?」 
 急なトラップの質問にパステルは怪訝な顔をした。
 しかし質問の意図を深く考えずに、一瞬の間を置いて即答した。
 
「本! 今はデュアン・サークの本が面白くて・・・・あれ、トラップどうかした?」
 
 
 アイディアその2.
「なぁ、パステル。 おめぇの大切な人が目の前で溺れています、それは誰だ?」
 パステルは目をまん丸にし、はっと口を押さえた。
 その反応にトラップは満足そうに頷いた。
 
「ルーミィが?! どうしよう、あの子って泳げたかしら?・・・・あれ、トラップ、頭痛いの?」 
 
 
 アイデェアその3.
「なぁ、パステル。 おめぇが憧れの人が目の前にいる、なんて声かける?」
 パステルはポッと頬を赤らめた。
 やっと分かったかとばかりにトラップは息をついた。
 
「ええと、ジュン・ケイ・・・・だめだ、言葉が出てこないや。・・・・あれ、トラップったら大丈夫?」 
 
 
 
 トラップは思わずベットから転げ落ちてしまった。
 それでこそパステルだぜ、などと訳の分からない考えを浮かべつつ、
燃え尽きる寸前のボクサーのごとく、ゆらりと立ち上がる。
「ねえ、これって何かの心理テスト?」
 心底不思議そうなパステルの問いにトラップは灰になりそうだった。
 燃え尽きるなおれ!とトラップは自分を鼓舞させ、何かないかと目を走らせる。
 しかしリーズナブルな値段が売りのみすず旅館には、
愛に酔う為の酒もなければ、愛の美しさを例える花もなく。
 あるといえば、パステルの小説が書き込まれた紙とペンくらいなもの。
 ・・・・・・これだ。
 トラップはパステルからペンを引ったくり、真っ白な紙になにやら書き始めた。
「ちょっと、なんなの?」
 パステルはトラップの奇妙な行動が読み取れなかった。
 そういえば、外出が面倒だとかで、近頃はカジノに行く回数も減ったことだし。
 雨が続いてるせいでオカシクなっちゃたのかしら?
 カレシがオカシクなっちゃったらどうしたらいいんだろう、やっぱ病院?
 外出しないのはパステルの傍にいたいが為だが、トラップはそれを言ってなかった。
 言わなくても分かるだろと思っていたのだが、パステルがすぐさま敏くなるはずもなく。
 お見舞いに鉢植えはダメなのよね、と次第に思考が逸れてきた時、目の前が真っ白になった。
 いや、白くなったのではなく、目の前に紙が突き出されたのである。
 トラップから紙を受け取る。
 彼らしい勢いのある字だとパステルは思った。
 投げやりに走り書いただけのようにも見えるが。
 書かれてあるのは、たった一文字。
 
 
 
 
 
 
 
   
「 鱚 」
 
 
 
 
 
 
 
 
「逆に読んでみ」
 ベタベタなネタだが、これなら分かるだろうとトラップは疲れ気味な頭で考えた。
 
 アイディア その4.
 ―き・・・・、す・・・・トラップ、わたしっ!―
 ―言わなくても、おめぇの気持ちは分かってるんだ、でも―
 ―ううんっ! わたし・・・・わたし、トラップの事が好きで好きでしょうがないの!―
 ―その言葉が聞きたかったんだ、パステル!―
 ―トラップ! ああ、わたしの愛しい人!―
 
 
 
 そんなカンジの白昼夢を見てしまう彼は、やっぱりイカレてるのかもしれない。
 イカレてるともさ、とトラップは胸中で呟いた。
 たった二文字の言葉を聞きたいためだけに、こんな醜態まで晒すなんて正気の沙汰じゃない。
 恋に落ちた時から、このパステルにイカレてしまったのだ。
 好きで、とても好きで、好きな気持ちが増長して、終には気が変になってしまったのだ。
 付き合っているという事は、この何分の1かは好きでいてくれるのだろうか?
 トラップとて「スキ」だと口に出して伝える回数は想う回数の何万分の1というほど少ないのだが。
 その、何分の1かは好いてくれているのなら、その、かわいらしい声で聞きたいのだ。
 一度くらいは聞いてみたいんだ、とトラップはパステルに目をくれる。
 パステルは紙を凝視したまま一言も発しない。
 そりゃあ、まあ。
 「鱚」なんて書かれるとは思いもよらなかっただろう。
 そもそもフォーチュン・クエスト世界で漢字で「鱚」はないだろう。
 フォーチュン世界で漢字なんて反則ネタをここまで引っぱるのはどうだろう。
 ・・・・・・そんなツッコミはさて置いて。
 トラップは無反応なパステルに不安を感じた。
 こんなネタ使うなんて馬鹿ねぇ、でもいいから、フリーズするのは止めてくれ。
 まさか寝たネタなんて阿呆なことは止せよ、とパステルの前で手をささっと振ってみる。
 当然だが、パステルは寝てなかった。
 眉間にしわを寄せてはいるものの、トラップを見上げた。
 やや自信なさそうに口を開き、かわいらしい声を発する。
 
 
 
「さば、じゃないよね?」
 
 
 燃え尽きた。
 燃え尽きたぜ、真っ白によ・・・・・・。
 がくりとうなだれたトラップは、コーナーに置かれた椅子に座りたくなった。
 しかしながら、ここはリングの上ではなくみすず旅館の一室なのでコーナーなどない。
 唯一の椅子もパステルが座ってるので座ることができない。
 だから、燃え尽きちゃだめだろう、そうだ燃え尽きるはずもないさ!
 ぐぐっと気を持ち直し、トラップは目を拭った。
 ちょっぴり泣いていたらしかった。
 パステルはというと、トラップが泪橋へ駆け出していきそうになっていた事など露知らず、
鯖ではないらしい、魚と喜の組み合わさった文字を解読しようと熱中していた。
 さかなに、よろこぶ。
 いや、喜ぶ魚だろうか?
 喜ぶ、メデタイといえばタイだが、タイは鯛だから違うだろう。
 行動で喜ぶといえば手を叩く、飛び跳ねる、跳ねるはウサギ・・・・・・。
 パステルはハッと顔を上げた。
 
 
「分かった、トビウオね!」
 
「違うっ! トビウオは飛魚、それ以上は困るバカがいるから聞くな! これは鱚、キスだ!!」
「キスなの?」
「キスだ。 書く側の詩人なんだから、キスくらい読めろよ」
「えー、だってキスでしょ? キスなんて使わないもん」
「使わないもん、じゃねぇだろ。 魚屋で買うだろ、白キス、青キスとか」
「買うかなぁ、トラップってキス買うの?」
「おれが買うわけねぇだろ。 キスだぜキス」
「それもそうだね。 トラップがキス買う姿なんて思い浮かばないし」
「おう、そうだろ。 なんせキスだしな」
 
 
 なんか違う。
 二人は同時に思った。
 先にパステルが口を開いた。
「それで、トラップは、き・・・・・・キスが、なんなの?」
 パステルの言うキスは魚を指し示すのとは少し違った。
 だんだんと頬が赤く染まっていくのは、よもや魚の話をしている証拠にはならないだろう。
 そこでトラップもはたと気付いた。
 「すき」の逆の言葉として選択した言葉は、少し違う意味も含んでしまっていた。
 見ると、パステルは頬だけではなく、首筋まで赤かった。
 上目遣いの顔には、キスがなんなの、という言葉はなかった。
 この人ったら昼間から何言ってんだろう?
 パステルの顔にはそんなニュアンスの言葉が書かれていた。
 昼じゃなければいいのだろうかと一瞬考えたトラップだったが、慌てて首を振った。
 違う、欲しかったのはソレじゃない。
「そうじゃねえ。 キスじゃ、なくて」
「キス、じゃなくて?」
 降り続く雨、部屋の中でふたりだけ。
 かわいいかわいいカノジョとふたりきり。
 更に言うならそれなりのうれしはずかしな雰囲気。
 そっと頬に触れるも、パステルはその手を払うことはしなかった。
「キス、じゃないんだけど・・・・・・」
 トラップは自分の口と行動の裏腹さに呆れながら、パステルの顎を持ち上げた。
 その拍子にパステルの瞼は閉じられ、自身の唇を寄せながらトラップも目を閉じた。
 
 
 
 
 
 
 そして、交わされる甘い・・・・・・
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
たらいまっ!!
           キスは未遂に。(バレバレでごめんなさい・笑)
 
 
 
 
 バターンと元気よく扉を開けて入ってきたのは、よゐこ印を押された良い子のルーミィだった。
 同時にバシーンとパステルはトラップを跳ね除けた。
「おかえり、早かったのね」
 にっこり笑顔のパステルには、うれしはずかしな雰囲気はキレイサッパリ消えていた。
 あれえーおれたちの仲ってそんなものだったんだあ?
 そうトラップがショックを受けたのはさて置いて。
 ルーミィは嬉しそうにパステルに駆け寄り、その膝の上に躊躇なく登って座った。
「あらま、今日はずいぶん甘んぼさんじゃないの」
 その声はうれしはずかしな雰囲気の時にトラップへ向けられたものより半オクターブは高かった。
 甘えんぼさんで許されるんなら乗りたいもんだとトラップはルーミィを恨めしく見た。
 ルーミィがトラップの眼差しに気付くはずもなく。
「んとね、えとね。 ぱぁーる、おてて出して、おめめぎゅーってして?」
「どきどきするわね、なぁに?」
 そう言いつつもあっさり目を閉じ、再びパステルが目を開いた時、手の平の上には。
 今まさに摘んできたばかりであろう、白露の光るアジサイの花が一つちょこんと座していた。
「わぁ、キレイ! ルーミィ、ありがとう」
 パステルの喜んだ反応にルーミィはえへーと満面の笑顔を見せた。
「ルーミィね、ぱぁーるがだいすきだかぁ、あげるんらお」
 微笑ましいことである。
 しかし全くもって無視された男の立場としては諸手をあげて「よかったね」なんて言えるものではない。
 女って花好きとか言うけど、切り花ってどうなんだ、アレは子孫を残す前に刈り取ってんだよな、
残酷だとは考えないんだろうか、キレイだからで済ませちまうのかな、女って時々酷いよな。
 トラップは暇つぶしにそんな事を考えてみた。
 勿論パステルがトラップの頭の中を知るはずもなく。
 にっこり笑ってこう言った。
 
 
「わたしも、ルーミィが大好きよv」
 
 
「ぱぁーる、ルーミィ、おなかぺっこぺこだおう!」  
 えへーと満面の笑顔を浮かべたルーミィはお決まりのフレーズを言った。
「ああ、そういえばもうすぐお昼だね。 猪野鹿亭に行こうか」
「うわぁーい! ごはん、ごはん!」
 ピョコタンと飛び降りたルーミィはトテトテと部屋を出て行った。
 廊下から「しおちゃん、のりゅ、ごはんらってー!」と叫ぶ声が聞こえる。
「さ、ごはんごはん。 あれ、トラップどしたの?」
 パステルが立ち上がって見ると、トラップは机の影で床にのの字を書いていた。
 いじけている背中には言い知れぬ哀愁が漂っている。
 パステルは図体ある男がいじけても邪魔でしかないなと感じつつ、その肩に手を置いた。
 すると振り返ったトラップの目にはキラリと光るものがあった。
 うわぁ、この人なんで泣いてんだろ、精神安定してないのかしら、やっぱ病院?
 入院費っていくらするんだろう、手続も大変だし困るのよね、とパステルが思っていると、
トラップは涙を隠しもせず、拳を床にダンッと打ちつけた。
「不公平だ!」
「は?」
「男尊女卑じゃなかったらいいのか、女尊男卑だって問題なんだぞ! 性差別反対!」
「何わけわかんないこと言ってんのよ? ほら、食べに行こう?」
 トラップは涙をシュルシュルと引っ込めて、深々と溜め息を吐いた。
「食べる気しねー」
「あっそ。 それじゃ行ってくるから、お留守番お願いね」 
 パステルの淡々とした態度に、トラップはまた傷つきそうになった。
 くそう、俺は電話機か留守録でもしてろと言うのか。
 そうだ換えのテープ買ってきてくれるかそしたら磁気で書き込んどくからヨロシク。
 ところで電話線ないんだけど電話機としたらどうしたらいいのかな携帯じゃないしな留守番だし。
「あーあー、ほら壁を引っ掻かないで。 ったく・・・・、今日のトラップ変だよ」
「いーんだよ、ほっといてくれ」
 すっかりいじけてしまっている。
 こりゃ重症だわ、とパステルは呆れて溜め息を吐いた。
 窓の外の雨はひっきりなしに降り続いていて、まだまだ止みそうにはなかった。
 トラップが変なのは天気のせいだろうか?
 だったら早く晴れてくれるといいのだけど。
 そしたらトラップもいつも通り元気になってくれることだろう。
 残念ながらパステルには天候を左右する事はできないので、祈るくらいしかできないのだが。
「・・・・・・てるてるぼうず、作ろうかな」
 パステルの言葉はトラップの小さな溜め息しか引き出せなかった。
 笑っては悪いとは思いつつも、パステルはクスッと笑ってしまった。
 部屋の戸口に立つと、背中を向けたままのトラップを振り返って見る。
 
「だってね・・・・・・・」
 
 
 
 
 トラップがそちらを見た丁度その時、扉が閉まった。
 遠ざかる足音は、パステルにしてはやや急ぎめで。
 それは、耳に残ったコトバが聞き間違いではない事を表していた。
 
 『だってね。 わたしはトラップが、』 
 
 トラップは部屋に誰もいないことに感謝した。
 きっと、首筋まで真っ赤になっている事だろう。
 
 
 しとしとしとしと
 
 雨はひっきりなしに降り続き、まだまだ止みそうにはなかった。
 けれども、みすず旅館の一室のトラップの心の中は外の天気を無視したかのように。
 
 晴れ渡っていったのである。
 
 
 
 
 
 
 『 トラップが、スキで、スキで・・・・・・しょうがないんだよ? ;』
 

オワリ


 
 
 
 
「付き合ってる状態だけど“好き”って言ってもらった事のないトラップが
どうやってか言ってもらいたいと四苦八苦するギャグ話」
これぞ焦れ焦れ好きにゃ堪らんリクエストですね♪

でもどうしてフォーチュンクエストで漢字や電話が出てるのでしょうね?
そうだ、半パラレルという新ジャンルはどうでしょうか!(何提案だ)
鱚くらい読めなよパステル、鱚くらい買って天ぷらにして食えよトラップ。
ギャグだからって何でもかんでも許されると思ったら大間違いという、
ここへ訪れになった方への反面教師的教訓になれば…。(苦し紛れ)

とりさん、700hitキリ申告&リクエスト、ありがとうございましたvv

< 2002.10.20 up >
フォーチュン・クエスト (C)深沢美潮/迎夏生/角川書店/メディアワークス
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