アルバイトという名目でズールの森へ行く。 半ばまで森に入った所でクレイ達はトラップとパステルから離れる。 トラップがなんだかんだとパステルを足止めさせ、目をそらして離れさせる。 そしてわざと遭難させ、二人きりになった所で告白する。 恐らく告白の真意を理解させるのは難問になるであろうが、そこは粘って無理矢理にでも理解させる。 そこで見事にハッピーエンドとなる、と。 模造紙の計画書(らしい)を読んだクレイ、キットン、ノルは一様に複雑な顔をした。 キットンもノルも強引に協力させることにしたのだ。 やたらと高い交渉能力の成せる技である。 「でも、わざと遭難させるなんてできるのか?」 クレイの質問にトラップはヒラリと地図を見せた。 それは簡素に東西南北と子どもが落書きした程度に道を記してある地図だった。 最悪に分かりにくい町の観光案内板でも思い浮かべれば近いかもしれない。 「あのパステルだぜ?これ持たせれば、何もしなくても迷うに決まってら」 誰も反論できなかった。 なんせ、あのパステルである、迷うなという方が無理かもしれない。 3人は本気でそう考えて頷いた。 「これ、最後にハッピーエンドって書いてありますけど、パステルが断ったらどうなるんです?」 キットンのごく素朴な疑問にトラップはピクリと片眉をあげた。 しばし天井を見上げたかと思うとひょいっと肩をすくめてみせた。 「別に? それならそれでいいぜ、俺は」 思いもよらないトラップの言葉に3人は意外そうな顔をした。 「断ったらその場に置いてくだけだからな、 モンスターがウジャウジャの森から無事帰れるかねぇ?」 ニヤリと不敵な笑みを浮かべるトラップに3人は顔を引きつらせた。 「あー、なんて完璧な計画なんだろうな。 俺、自分の才能が怖いぜ」 それまで天気のよかったはずのシルバーリーブの空に、 急速に暗雲がたちこめ、ピシャーン!!と雷光が走った。 ハーハッハッハ!とマッドサイエンティストよろしく高笑いするトラップを、 3人は、おまえの良心無い頭の中が怖いよ・・・・とツッコミをいれつつ見守るしかなかった。
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ごめんなさい・・・・、ほんっとにゴメンナサイ。 これでもトラップファンを公言してたりします。 |
< 2002.05.14 up > フォーチュン・クエスト (C)深沢美潮/迎夏生/角川書店/メディアワークス |
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